『理科系の作文技術』
中公新書 木下 是雄著 昭和56年9月25日 初版
昭和の本です。
マーケティングとか、プロモーションとか、パソコン技術とか、
1年でも古い情報は、はっきりいって真反対の主張だったりして、
数年前の書籍は、ほぼゴミ同然扱いです。
が、しかしっ!!
日本語で他人にものを伝える技術は、現在の生活環境の変化から、
日々退化、または劣化していっているはず。
かつて、唯一の伝達手段であった文章技術は、
日本人にとって失われた伝承スキルなのです。
一部、メルマガやHPでの相手にものを伝える手法が確立されていますが、
是非にも文章作成の基礎を、体得しておきたいものです。
◆本書のレビュー結論
(引用)
『何が必要かは目的(要件)により、また相手(読者)の要求や予備知識による。
その判断に、書く人の力量があらわれる。』
スバリ、これです。
文章の目的がしっかり固定されていないで、
書き手側の立場で書く文章は、
→ ダメダメでしょう。
仕事上の文章でこれを平気でやっている人には、イラッときます。
作成された文章への指摘に対して、
“アゲアシをとる”とか“イミはわかるだろ”とか言って、無頓着な方がいますが、
それは『文章を作成する力量が明らかに不足している』ってことです。
◆事実と意見の区別について
発言者の意見が、事実や他人や全体の総意として伝えられることがあります。
文章ですと、『デアロウ』、『ト思ワレル』、『ト考エラレル』といった類です。
文末を、はっきり言い切ると回避できます。
ビジネス現場において報告される内容でも、
顧客の意向なのか、
それを受けた営業の解決策としてのアイディアなのか、
双方で議論された総意なのか、全く不明瞭なことがあります。
◆主語は誰か~?
長めの文章で読みにくい理由のひとつが、
『途中で主語が入れかわった文を<ねじれた文>という。』
です。
“登録いただいた申し込み内容は、承認完了の後に、受付を致します。”
といった内容をもう少し込み入った情報を加えていくと、
全く不明瞭な文章になることがあります。
登録する=ユーザー
承認する=主催者
受付する=担当部署
です。
◆付録(ご存知でしたか)
“ギュメ”=< >:山括弧
“パーレン”=( )丸括弧
“ブラケット”=[ ]:角括弧
“ブレース”={ }
使用する順番は
→ { [ ( ) ] }
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