(梅雨シーズンにベッタリ感で。)
小学生のまことちゃんは、ちょっと不満です。
“最近、兄貴のものばっかり買ってもらってる。”
おにいさんが中学に進学し、4月からいろいろと準備をしていました。
(わたしも、なんか買ってほしいなぁ。)
おとうさんも、そんなまことちゃんの気持ちを考えていました。
でも無駄遣いはできません。
季節は6月の梅雨時。
『今年は空梅雨だな。』
『カラツユってなあに?商店街の新しいつけ麺屋さん?』
いつもながら、面白いことを言う。
『そうだ。いい雨が降るように新しい傘を買いに行こうか!
カラフルで可愛いやつ!』
かなり無理があったが、
それでもまことは自分のものを買ってもらえそうなので、大賛成でした。
実用品なら出費も特別にOKです。
週末にショッピングモールで、
オレンジとブルーに黄色も入ったジャンプ傘を購入しました。
『これで、カタツムリさんもカエルさんも一緒に雨をお願いできるね。』
雨降りが待ち遠しい。
そして天気予報は、午後からようやく傘マーク。
『今日は傘をもっていきなさ~い。』
朝にマイ傘を出して、
『行ってきま~す!』
その日の夜にとうさんが会社から帰って、
おかあさんに様子を聞きました。
『ピッチ・ピッチ!チャップチャップで、ランランだったか?』
それが、学校からぬれて帰ってきたらしい。
え~!どこかに忘れてきたのか?
どうやら、新品の大事な傘をぬらすのが嫌だったらしい。
そんなに嬉しかったのかな。
よくあるストーリーだけど、
とうさんの気持ちは特別な思いとなりました。
眠っているまことの枕元で一言。
(風邪ひくなよ。)
◆昨今では、こわいおやじも良いだろう?、についてちょっと知りたい。
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